COLLECTION
#1
TOSHI YOROIZUKA
鎧塚コレクション
至高の抹茶テリーヌ
鎧塚氏が挑戦するのは、一切の余分をそぎ落とした抹茶スイーツの究極系と呼ぶべきコレクションです。一般的にプロは「いろんな素材を入れる」という風にお考えかもしれません。しかし、今回の究極の抹茶スイーツについて鎧塚氏が考えるのはその逆。本当にいい素材というものには、できるだけ、材料の種類は削るべきという哲学です。
鎧塚氏の愛する、抹茶と栗のマリアージュ
「至高の抹茶テリーヌ」は、まるで濃茶のごとく抹茶の香りと旨みをダイレクトに感じることができます。しかし、そんな濃厚な味と香りを残しながら、舌触りはまるで消えていくような、しっとり滑らかなのです。
下部には、丁寧にペーストされた栗が配置されています。抹茶の味わいを堪能した後、栗の優しい甘さと香りが、抹茶と栗のマリアージュを生み出します。栗は同氏がパリで活動していた頃、街角で出会った思い出の味。宇治市出身の同氏にとって、「抹茶」と「栗」の組み合わせは、故郷の想いが詰まっています。
PROFILE
鎧塚俊彦氏(Toshi Yoroizuka オーナーシェフ)
1965年生まれ。関西のホテルで修業後渡欧、2004年 東京・恵比寿「Toshi Yoroizuka」をはじめとして六本木・東京ミッドタウン、杉並、店舗を展開。2010年にエクアドルに「Toshi Yoroizuka Cacao Farm Ecuador」を、小田原には2000坪の農園を併設した地産地消を目指す「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」開設で“素材づくりを重視”したものづくりを推進している。2016年には東京・京橋に旗艦「Toshi Yoroizuka TOKYO」をオープン。2018年12月に創業の地、恵比寿店をショコラティエ「Yoroizuka EC」に、2019年6月に「Toshi Yoroizuka Atelier」をリニューアル。農業に関する積極的な姿勢をもってより良き菓子づくりに奔走中。最近は「(社)食文化ルネサンス」にて日本の食文化の基盤づくりにも注力している。
#2
HILTON TOKYO | OSAMU HARITA
播田コレクション
thé thé
脈々と受け継がれる伝統、最高級の茶葉を育む宇治の地をイメージ。地層のように幾重にも重なるスイーツの層は抹茶の風味を引き出しながらも食感と味の変化が楽しめるよう緻密に計算されています。トップは味の変化を付けた抹茶のクリームを重ね、上空から見た茶畑をイメージしました。
和の素材を、洋菓子の技術「足し算」で深化させる挑戦
ケーキは下の段からパリパリ食感の抹茶&ライスパフのプラリネフィアンティーヌ、ビターな味わいの抹茶のスポンジ、フルール・ド・セルで抹茶の旨みを引き出した抹茶の生チョコレート、ミルキーな抹茶のムース、滑らかなくちどけの抹茶のクリーム、濃厚な抹茶のホワイトチョコレートジュレで構成。くちどけのスピードで味を感じる順番が決まることから、抹茶の味に奥行きを出し、長く余韻を楽しめるよう、これらの層で味の表現に試みました。
トッピングはマスカルポーネを使用した2種類の抹茶クリーム。ガナッシュのような濃厚なクリームと、しっかりと泡立てふんわりとした食感のホイップクリームで構成。仕上げにフルール・ド・セルで味を引き締めます。
1つのスイーツに23gもの抹茶を使用してもエグみはなく、超濃厚な抹茶が堪能できるのです。
PROFILE
播田修氏(ヒルトン東京 エグゼクティブ・ペストリーシェフ)
1979年生まれ。2005年に渡仏。パリの5ツ星ホテル「ル・ムーリス」でヤニック・アレノ氏の元で研鑽を積む。ヒルトン東京には2017年1月にエグゼクティブ・ペストリーシェフとして就任。デザートと装飾で独特の世界観を作り上げるテーマ性のあるデザートビュッフェを牽引し、国内で最も予約が取れないホテルデザートビュッフェとしての地位を確立した。
受賞歴
2006年「ルレ デセール シャルル プルースト杯」入賞。
2009年「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」国内予選ショコラ部門で入賞。